前回の続き。

F様の奥様から私への提言。

今から7年前。そうF様邸の引き渡しの数日後、F様は、家の建築に携わった方々を労う、お披露目を兼ねた「食事会」を開いてくださいました。

新築された家で皆で歓談の後、レストランで食事。

その際、奥様に言われた一言に、私は考えさせられたのです。

 

当時の私は、独立して5年、歳は38歳。

今の若い建築家と同じように「デザイン」(カッコ良さ)に主眼を置いて設計していました。

すでに、気密や断熱においては、現在の基礎になるものが確立されていた状況で、「性能」についてはそれなりに自信がありました。

F様のお宅も「オーソドックス」なデザインではあるのですが、随所に「こだわり」を持った設計をした私自身も自慢の住宅です。

 

話は、戻って「レストラン」での一コマ。

奥様が、「宮崎さん」と切り出しました。

「宮崎さんは、とても快適で素敵な家を創ってくれました。でもね、宮崎さんの設計には決定的なものが足らないのよね」と言われたのです。

「え!?」

「それはね、女性の視点でのキッチンや収納の使い勝手なの」

「家に一番長く居るのは、奥さん(女性)なのよ。その奥さんが、便利で使い勝手が良いというのが私は、いい家の条件なんだと思うんだけど、どうかしら」と言われたのです。

そういえば、打ち合わせの際、プラン的にはOKだったがキッチン周りの話をよくされていた事を思い出しました。

「キッチンの機能」「ゴミ置き場」etc……

 

私は実際、「料理・洗濯」は一切しませんし、出来ません。まあ、簡単な掃除程度はしますが、キッチンの勝手やゴミの置き場所、しいては読み終えた新聞の収納など考えた事もありませんでした。

 

「宮崎さんが、これから大きくなるには女性の力が絶対に必要になるわよ」

「仕事の上で奥様が無理なら、違う女性を仕事上のパートナーとして探さないとね!」

と、これが今は亡きF様の奥様から受けた提言です。

 

性能が良く、カッコの良い住宅ばかり設計していた私は、深く考えさせられました。

しかし、このことは「ある女性」が事務所に入るまで、私の脳裏の奥深くに追いやられていたのです。

 

で、続く。

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