先週の金曜日、「亀甲台の家」の現場に10時の‘一服’に合わせて行ったときの事。フレーマー（構造体の組み立て大工）の泉山君から、「宮崎さん、熊手を貰ってくれませんか？」といわれました。
「熊手？」「潮干狩りの？」と私。
「違いますよ！酉の市のですよ！」と泉山君。
「あ〜酉の市の！」→「上さんが昨日、浅草酉の市にいって買ってきたんですよ！」→「私にも買ってくれたの？」→「自分の家のは、家庭用の物ですけど宮崎さんの所は会社だから・・」
そして、頂いたのが写真の熊手。
写真では良くわからないでしょうが、ちゃんと会社名まで入っています。
聞けば、泉山君の奥様は「お祭り」が大好きらしく色々なお祭りに出かけるらしいのですが、11/16は‘二の酉’で、勤めを休んで「熊手」を購入してきてくれたのだそうです。
私は、涙が出るくらい嬉しかった・・・・。
泉山君とは、かれこれ10年ほどの付き合いになりますが、奥様とは一度もお会いした事が無いのです。そんな奥様が私たちの為に・・・・。
彼は、若く腕が良いため色々な会社から‘引っ張りだこ’の状態で、繁忙期には休みが無いほど忙しい人間ですが、私の仕事は他を断っても来てくれます。
そんな彼の奥様が、誰に頼まれた訳でもなく「我が社」だけに購入してくれた熊手です。
そして彼は、奥様が購入してきた熊手に‘縁起物だから’といって千円札2枚を挿して渡してくれました。
ありがたい事です。
職人さんから‘お中元’や‘お歳暮’を頂くことはあっても、このように心がこもった贈り物を受けた事はありません。
恩返しは、仕事で返すことだと思いました。
「宮崎さんの仕事は楽しいから！」といつも言ってくれる彼が、奥様にも仕事の話をしてくれているのでしょう。
私たちの職人さんは、皆「お客様の為に」と私自身が気付かない部位でも細かく対応してくれます。先週の中西のブログでも、「造作大工」さんの話が登場しましたが、私たちは、腕だけではなく「気持ち」のある職人さんにめぐり合う事が出来て幸せです。
これから、この一年間、この熊手を見て、さらなる努力をしなくては！と心に誓いました。
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