先週に引き続き日経ホームビルダーに耐震上悪い建物について、坂本功先生の話が載っていました。下記の記事によると確認申請上は構造的に問題がない建物でも地震に弱い建物があることがわかります。

 

「大きな被害が生じた住宅は、直下率が低い」――。

熊本地震直後、日経ホームビルダー本誌がこのように報じた後、テレビや新聞が直下率の問題を大々的に取り上げたことから、一般建て主の間でも関心を呼んでいる。

直下率とは、柱や耐力壁が上下階で揃っている割合を示す指標。

これが、地震による建物被害とどの程度関係があるのか。

この問題に詳しい、東京大学の坂本功名誉教授に話を聞いた。

(聞き手は、日経ホームビルダーの荒川尚美記者)

 今年1月、NHKの番組で直下率の特集が放映され、一般消費者の間で直下率はいちやく注目を浴びる存在になった。放映から12日後には、家内が「うちの直下率はどうなのか」と聞いてきた。

 その後で理髪店へ行くと、店の奥さんから「直下率って大切なんですね」と言われた。同じ日に、建築の素人である2人から「直下率」という言葉を聞く状況に、テレビの影響力の大きさを思い知った。

 テレビでは直下率と地震による倒壊を結び付ける形で説明していたが、直下率と耐震性は必ずしも関係ないとされている。ただし専門家によって、微妙にニュアンスは異なるようだ。

 例えば、2階直下に柱がない状態で接続する下屋部分は、下屋の水平構面や接合部が脆弱なことが多い。地震力を受けると、上階から伝わるせん断力が下階に伝わらず、そこで分断されて建物が壊れる。これを「直下率ではなく水平構面の問題」とする考え方もある。

 一方、そもそもこうした架構を考える人は適切な水平構面を設けないだろうから、直下率に関連するとの見方もできる。 

プレカット化と2000年基準の影響

 私自身は、直下率は「構造計画の良しあし」の指標になると考えている。以前、職業能力開発総合大学校の松留愼一郎名誉教授が、旧・住宅保証機構の保証制度を利用した住宅のうち、2階の床の不陸事故で保証金が支払われた事例の直下率を調べた。柱の直下率が50%を切ると急激に事故の割合が増える。

 こうしたデータを見る限り、直下率は耐震性には直接の関係がない場合でも、生活上の不具合とは関係があるといえる。

 木造軸組工法の住宅は、概して直下率が低い。その背景には、プレカット化と、2000年の建築基準法改正で行われた基準の明確化の影響がある。

 CADで手軽に平面図や立面図を描けるようになった今日、工務店の営業マンがお客の要望を聞いてプランを作成している。その際に1階と2階の柱の位置がそろっていなくても、作成した間取り図をプレカット工場に出せば、伏図を自動生成し、必要なら部材を太くしてくれる。直下率を含めた軸組の健全性をだれもチェックしないまま、住宅が建設されている。

 かつての大工は部材の手刻みや建て方を行い、その経験と体感を通して常時荷重(鉛直荷重)がどういうものかを学んできた。常時荷重を見誤って施工すると床鳴りなどが起こり、クレームとしてすぐに表面化する。1人大工でも年に3軒以上は手がけるから、12年もすれば相応のノウハウを習得した。100年に1度の地震は経験する機会が少なく、地震荷重への対応が大工の一般的なノウハウとして継承されなかったこととの違いだ。

 現在、軸組工法の9割はプレカットによるものだ。プレカットの導入によって、結果的に軸組工法は生き残っている。それはプレカットの功績といえるが、軸組に対するチェック機能が働かない状況のなかで、直下率がますます低下する現状も生み出している。

 00年の法改正に伴い、壁の配置バランスを検討する4分割法が導入された。4分割法では外周壁に一定量の壁を設ければ、1階の内部に壁がなくても基準を満たせる。これも、直下率低下を招く一因になった。

2階の隅柱を1階に落とす

 構造計画とは、ある部分に加わった力がどこを通って地面に到達するか、という力の流れを考えることだ。力の流れに応じて、あるべき位置に柱と壁を入れることが大切になる。

 構造上良い建物とは、「単純明快」なものだ。例えば、平面・立面上のくびれがなく、壁と水平構面が全体として一様に動くようなつくりだ。建物の一体性が乏しい場合、一部が崩れると、その他の部分も引きずられて壊れしまう。

 4隅の柱が通し柱であることも1つの指標になる。1本ものの柱である必要はないが、上下の柱の位置がそろい、2階の柱から1階の柱に力を素直に伝えられることが重要だ。

 2階がセットバックした建物では、2階の隅柱を通し柱にできないことが多い。こうした場合には、2階の隅柱を受ける床梁の端部に1階柱を設けることが大切だ

 1階に広いリビングを設けたいなら、2階の隅柱がリビングに当たらないように2階を配置する。

 水平構面については、いくら床倍率の大きい床を設けても、その部分の床面積が小さければ全体の剛性は高くならない。

 吹き抜けは、2階の床の水平構面を固める際の弱点になる。構造計画上はないほうがよいが、設ける場合には外壁に接する面を1辺かせいぜい2辺にとどめたい。

 木質プレハブ工法や枠組壁工法の住宅には耐力壁線の規定があり、耐力壁線に囲まれた面積は402以下、開口部の幅は4m以下などと定められている。これらの厳しいルールを守ると、構造計算はたいていクリアできるようになっている。軸組工法の住宅でも参考にするとよいだろう。

 なお、建築基準法の規定には前提となる暗黙の了解がある。例えば、N値計算は上下の柱がそろっている架構を、壁量計算は総2階を前提としている。L字型平面や2階部分が極端に小さい12階建ては壁量計算で想定していないので、こうした建物では耐力壁の配置を工夫する必要がある。

部分2階建てでは、2階の隅柱を1階の柱ではなく床梁で受けていることが多い。この場合、せめて床梁の端部には柱を設ける。床梁を胴差しで受ける架構は避ける(資料:建築知識19857月号「在来木造住宅の構造計画とプランニング」に記載された図に日経ホームビルダーが説明を追加)


1

階には、リビングなど床面積の大きな部屋を設ける場合が多い。隅柱を通し柱にするには、リビングの内部に2階の隅柱がこないように部屋を配置する(資料:建築知識19857月号「在来木造住宅の構造計画とプランニング」に記載された図に日経ホームビルダーが説明を追加)

吹き抜けは水平剛性を確保するうえで弱点になる。吹き抜けが必要な場合には、外壁に面する部分をせいぜい2辺以下に抑える(資料:建築知識19857月号「在来木造住宅の構造計画とプランニング」に記載された図に日経ホームビルダーが説明を追加)

耐力壁線の適切な配置が、無理のない構造計画に結び付く。耐力壁線間の距離、耐力壁線に囲まれた床面積、開口部の大きさに対する規定など、木質プレハブ工法の基準や品確法が参考になる(資料:建築知識19857月号「在来木造住宅の構造計画とプランニング」に記載された図に日経ホームビルダーが説明を追加)


※エムアンドエー設計の住宅の多くに吹き抜けがありますが、エムアンドエー設計では、1階と2階の間に台風梁という梁を設けています。これにより吹き抜けがあっても水平構面に影響を及ばさないよう設計しています。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます

下記のランキングに参加しています。クリックして頂ければ幸いです

人気ブログランキンはコチラ

ブログ村ランキングはコチラ

♪♪2つともクリックして頂けると嬉しいです♪♪

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

-----------------------------------------------

新築・リフォーム・土地のご相談は無料です。遠慮なく連絡ください

外断熱で一年中・快適・省エネ エコロジーアメリカンハウス

株式会社 エムアンドエー設計工房

TEL  04-7164-8081    FAX  04-7164-8071

http://www.m-a-sekkei.co.jp

info@m-a-sekkei.co.jp

業務     省エネ住宅の新築 リフォーム 耐震診断・改修 コンサルタント

施工エリア 柏市 松戸市 野田市 流山市 白井市 印西市 成田市

        茨城県取手市 つくば市 つくばみらい市 牛久市 守谷市

-----------------------------------------------